全然コマンタレブー

そんなことしてる場合か?

夜寝られない

よる。窓の外が明るいのはマンションの内廊下に明かりがついているから。私が夜眠れないのは窓があかるいからかもしれない。

いまこのままパジャマで外に出ることができたら、裸足で廊下を歩いて、裸足で冷たいエントランスに出て、そのまま裸足でアスファルトの坂を下りていければ。

裸足で夜歩く坂は下り坂がいい。暗い。街灯がへんに明るいオレンジで、きっと外に出たことを後悔する。遠くで車の走る音。

このまま下まで降りていこうか、大通りはきっとトラックだけが走っている。でもわたしは途中の道を右に入っていきたい。いつだったかホームレスのおじさんが捨てられた布団を引きずってこの道を入っていくのを見た。あれは夢だったかもしれない。

道の先は暗くて怖い。変質者が20人も潜んでいそうな道だ。森に入る前のあのプレハブの建物が、猟奇殺人事件を起こすための建物のように見えたこともあった。そんな建物はそもそもなかったのかもしれない。あの暗いところにはきっと虫もいるし、じめじめしている。いきたくない場所だからこそ今はそこに歩いていきたい。あちらへ歩いていけば、永遠に夜のまま歩き続けていられるような気がする。

本当はわたしは布団の中にいてあたたかい。ずっと夜のまま、あたたかいところで丸くなっていたい。冷たいところを歩きたい。足があたたかくなってきたのでそろそろ寝られるのかもしれない。